肘関節

上腕骨外側上顆炎(テニス肘)

上腕骨外側上顆炎(テニス肘)とは?

 上腕骨外側上顆炎とはタオルしぼりや手関節労作時に肘関節外側部に痛みを生じる腱付着部症(enthesopathy)です。30〜50歳代に多く発症するもので、手首を動かすための腱の老化現象と使い過ぎによるもの腱の微小断裂によるといわれております(短橈側手根伸筋腱起始部の変性断裂)。また、肘関節内のひだ(滑膜ひだ)によるひっかかり、それにより関節に炎症が生じることなどが原因と考えられています。テニスのバックハンドで手首を過度に使うことでおこるため「テニス肘」としてよく知られております。

症状は?

 タオルや雑巾をしぼる際や荷物や物を上から持ち上げる際に痛みが生じます。肘から手首の方向に痛みがでることが多いです。肘の外側から手首の方向に向けての部位(前腕部)に痛みが生じることが多いです。


治療方法は?

  まず、十分に安静をとってもらうことが大事です。手首の過度な負荷は可能な限りさけてください。特に物を上からつかんで持ち上げる動作はさけ、下から持ち上げるようにしてください。必要に応じて、内服薬やステロイド剤の局所注射などの治療を行います。また、適切に行えば、手首のストレッチなども有効です。


手術適応、方法は?

 上記の治療でよくならない方、再発してしまう方などはMRI等で精密検査の上、手術療法を考慮します。手術法も様々な治療法がありますが、当院では内視鏡(関節鏡)を使用した手術を行っております。

 関節鏡を使い、関節内の滑膜ヒダ、炎症の原因となる組織や変性、断裂した短橈側手根伸筋腱の切除を行います。関節鏡を使うことで関節内の問題を発見可能であり、同時に治療を小さい傷で行うことが可能です。

手術の経過は?

 二泊三日の入院加療で行います。手術前日に入院していただきます。手術は約1時間前後で行います。手術後、麻酔の覚めがよければ約3時間で歩行、食事も可能で、手術翌日には退院可能です。術後は必要に応じてリハビリテーションを行います。術後ギプス固定などは行わず、約1〜2週の三角巾固定を行います。重労働は約1ヶ月以降に痛みを見ながら許可します。


肘離断性骨軟骨炎(外側型野球肘)

肘離断性骨軟骨炎とは?

 肘離断性骨軟骨炎とは、投球(野球)を中心としたスポーツによる障害で発症することが多く、上腕骨小頭の関節軟骨が母床より剥脱、分離し、時間とともに遊離体となる疾患です。

 原因は、反復外傷説が最も疑われており、投球動作による橈骨頭の上腕骨小頭に繰り返される圧迫損傷と考えられています。

 発症には投球期間、投球数などの他に、肘以外の体幹、下肢を含めた機能障害や投球フォームの悪さなどの関連性も言われている。症状はスポーツ中やその後に発生する肘の疼痛であり、長期化すると肘の可動域(曲げ伸ばし)が制限されます。


必要な検査は?

 レントゲンで診断は可能です。しかし、病期分類(進行度)の把握には超音波検査、MRI、CTが必要となります。病期分類によって治療方針を決定します。分離期後期~遊離期が進行期(病態が進行している)となります。

治療は?

保存療法
分離期前期までは保存療法が基本であり、投球禁止と安静が治療の原則となります。当院の特徴として、その間に全身の機能訓練、場合によっては投球フォームの指導を含めたリハビリテーションを行い再発予防に努めます。レントゲンやエコーにて病変部の修復状態を確認しながら投球を徐々に開始していきます。投球開始まで2~3ヵ月を要することが多いです。
手術療法
投球禁止、リハビリテーションに抵抗する症例や病期分類で進行期の症例には手術療法が選択されます。

手術方法は?

ドリリング
透亮期や分離期前期の症例、病変部小さい症例などに行われます。
骨軟骨片固定術
病変部(骨軟骨片)が遊離してなく、病変部の生着が可能だと判断した症例に行われます。骨釘、軟鋼線、スクリュウを用いて病変部を固定します。
肋軟骨移植術
病変部が遊離していて、生着が不可能だと判断した症例に行われます。病変部を摘出し、患側の第5肋骨から摘出した肋軟骨を移植する方法です。肋軟骨はスクリュウで固定します。

術後経過は?

 術後は、シーネ固定を2~3週間行います。抜糸は外来にて術後10~14日で行います。固定終了後より肘関節可動域訓練を開始します。術後レントゲンにて骨癒合傾向が認められた時点(約3~5か月程度)で投球を徐々に開始します。スポーツに完全復帰するには約6~7ヵ月かかります。投球動作は運動連鎖により成り立っており、再発予防には障害の発生に関与する因子に対する全身のアプローチや機能診断が重要です。術後もリハビリテーションが重要になります。


術後の定期検診

 診察は、術後6ヵ月までは1回/月、その後は術後9ヵ月、1年、1.5年、2年、3年、4年、5年に必要となります。またMRI、超音波検査、CTの検査は、術後3ヵ月、6ヵ月、1年、2年、3年、4年、5年に必要になります。

 以上が肘離断性骨軟骨炎についての説明です。本疾患は、確実な治療を行わなければ変形性関節症を発症し深刻な障害を残します。ご自身の病気を理解し、手術の方法や術後経過などについて疑問点がございましたら、担当医までお尋ねください。

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